三菱エコキュートのエラーコード「120」は、主にヒートポンプユニットの運転に異常が発生したことを示す警告です。ヒートポンプユニットは、エコキュート全体の中核的な役割を果たしており、空気中の熱を利用して効率的にお湯を作り出す装置です。このヒートポンプに異常がある場合、エラーコード120が表示され、正常にお湯を供給できなくなります。
原因
エラーコード120の発生原因として考えられる主なものは以下の通りです。
- 冷媒系統の異常
ヒートポンプは冷媒を使って熱を移動させる仕組みですが、この冷媒に問題が生じるとエラーが発生します。冷媒が不足している場合や漏れが発生していると、適切に熱を運ぶことができず、エコキュートの運転が停止します。冷媒漏れや充填不足は特に経年劣化によって発生しやすい問題です。 - コンプレッサーの故障
ヒートポンプの心臓部であるコンプレッサーが故障すると、エコキュート全体の動作が停止します。コンプレッサーは冷媒を圧縮して熱を作り出す重要な役割を担っており、これに異常があるとエラーコード120が表示されます。コンプレッサーの異常は、内部の部品の摩耗や電気的な問題が原因で発生することが多いです。 - ファンモーターの異常
ヒートポンプユニットには空気を循環させるためのファンが搭載されていますが、ファンモーターが故障すると、冷媒を適切に冷却できなくなり、エラーが表示されます。ファンが回っていない、あるいは異常な音がしている場合はファンモーターの不具合が疑われます。 - 外気温の影響
極端に低い外気温(特に冬場の寒冷地)では、ヒートポンプが適切に動作しなくなることがあります。エコキュートは空気中の熱を利用するため、外気温が低すぎると十分な熱を取り込めず、運転が不安定になります。その結果、エラーコード120が表示されることがあります。 - 制御基板の異常
ヒートポンプの運転を管理する制御基板に問題がある場合もエラーが発生します。電気的なトラブルや基板の不具合が原因で、運転が正常に制御されなくなり、エラーを引き起こす可能性があります。
対処法
エラーコード120が表示された場合、以下の対処法を試してみてください。
- 一時的なリセット
まず最初に行うべきは、エコキュートのリセットです。リモコンで運転を停止し、主電源を一度オフにします。数分後に再度電源を入れて運転を再開すると、エラーが解消されることがあります。一時的なシステムエラーであれば、これで問題が解決することがあります。 - 周囲の確認
ヒートポンプユニットの周囲に何か障害物がないか確認してください。特にファンが正常に動作できるよう、ユニットの前や周りに十分な空間を確保しましょう。風通しが悪いと冷却効果が低下し、エラーが発生する可能性があります。 - 外気温への対処
寒冷地で使用している場合、外気温が極端に低いとヒートポンプの効率が落ちることがあります。この場合、エコキュートが外部ヒーターを使って補助的に暖房を行う機能が働くことがありますが、それでもエラーが発生する場合は、専門業者に相談する必要があります。 - 専門業者による点検・修理
リセットを試してもエラーが解消しない場合や、冷媒漏れ、コンプレッサーの故障が疑われる場合は、三菱電機のカスタマーサポートや認定業者に連絡し、点検や修理を依頼することが必要です。冷媒の充填やコンプレッサーの交換は専門的な知識が必要であり、ユーザー自身で行うのは危険です。 - 定期的なメンテナンス
ヒートポンプユニットを長く使うためには、定期的なメンテナンスが非常に重要です。冷媒の状態やコンプレッサー、ファンの動作を点検し、問題が発生する前に修理や調整を行うことで、エラー発生を防ぐことができます。
注意点
エラーコード120が表示された場合、自己診断を行うのは有効ですが、内部の修理や冷媒の取り扱いは専門的な知識が必要です。不適切な修理を試みると、保証が無効になる場合があるため、疑わしい場合は必ず専門業者に依頼しましょう。
まとめ
エラーコード120は、ヒートポンプユニットの異常に関連するもので、冷媒の不足、コンプレッサーやファンの故障、外気温の影響などが主な原因です。リセットや外部環境の確認などの初期対処を行っても解消しない場合は、専門業者に相談し、適切な点検・修理を受けることが推奨されます。定期的なメンテナンスでこうしたトラブルを未然に防ぐことが重要です。