三菱エコキュートのエラーコード「117」は、主に給湯循環ポンプの異常に関連しています。このエラーが表示された場合、給湯システム内でお湯を適切に循環させることができない状態であることを意味します。給湯循環ポンプは、お湯を各蛇口やシャワーへと効率的に供給するための重要な部品です。このポンプに問題が発生すると、エコキュート全体の機能に影響が及び、快適な給湯ができなくなる可能性があります。
原因
エラーコード117が表示される原因として、以下のようなことが考えられます。
- 循環ポンプの故障
最も一般的な原因は、循環ポンプ自体の故障です。長期間の使用により、ポンプの内部部品が摩耗したり、モーターが焼き切れるなどして正常に機能しなくなることがあります。この場合、ポンプが作動せず、お湯が循環しなくなるため、エラーが表示されます。 - ポンプの詰まり
循環ポンプ内部にゴミや異物が詰まると、お湯の流れが妨げられます。この詰まりがポンプに負荷をかけ、運転が停止したり、異常が発生することがあります。特に、水質の悪い地域では、ポンプや配管内にスケール(カルシウムやミネラルの堆積物)が蓄積し、ポンプが詰まりやすくなることがあります。 - 配管内の空気混入
配管内に空気が混入している場合、循環が正常に行われず、ポンプが空回りすることがあります。空気が原因でポンプの運転が不安定になると、エラーコード117が発生することがあります。特に新しく設置されたエコキュートや、配管の修理後にはこの問題が発生しやすくなります。 - センサー異常
循環ポンプの状態を監視するセンサーが故障している場合も、エラーが発生することがあります。センサーが誤った情報を制御基板に送信すると、実際には問題がない場合でもエラーとして認識されることがあります。 - 電源や配線の問題
循環ポンプへの電力供給に問題がある場合、ポンプが正常に動作しないことがあります。例えば、配線が緩んでいたり、断線している場合は、ポンプが作動せずエラーが発生します。また、電圧の不安定さも原因となることがあります。
対処法
エラーコード117が表示された場合、以下の手順で対処を試みてください。
- リセットを試す
まず、リモコンでエコキュートの運転を停止し、主電源をオフにしてリセットを行います。数分待ってから再度電源を入れて運転を再開することで、エラーが解消される場合があります。これは、一時的なシステムエラーである場合に有効です。 - 循環ポンプの動作音を確認する
循環ポンプが動作しているかどうかを確認してください。ポンプから異常な音(例えば、うなり音やガラガラ音)が聞こえる場合、ポンプ内部に異物が詰まっている可能性があります。このような場合は、ポンプの清掃や交換が必要です。 - 配管のエア抜き
配管内に空気が混入している場合は、エア抜きを行うことで問題が解決することがあります。取扱説明書に従って、配管内の空気を抜いてみてください。エア抜きが正しく行われないと、再度エラーが発生する可能性があるため、慎重に作業を行いましょう。 - 専門業者に点検を依頼する
ポンプ自体の故障や詰まり、センサー異常など、自己診断やリセットでは解決できない場合は、三菱電機のカスタマーサポートや認定業者に連絡し、点検を依頼することを強くお勧めします。ポンプやセンサーの修理・交換は専門的な技術が必要であり、無理に自分で修理を試みるとさらなるトラブルの原因になる可能性があります。 - 定期的なメンテナンス
循環ポンプの異常を防ぐためには、定期的なメンテナンスが重要です。特に、スケールや汚れが蓄積しやすい地域では、定期的に配管やポンプを清掃することがエラーを未然に防ぐ手段となります。また、配管内の水質管理や、ポンプの運転状況を定期的に確認することで、ポンプの寿命を延ばすことが可能です。
注意点
ポンプや配管の修理を自己判断で行う場合、必ず取扱説明書に従い、安全を確保した上で作業を行う必要があります。特に電気回路に関わる部分の修理は危険が伴うため、疑わしい場合は無理をせず専門業者に依頼するようにしてください。
まとめ
三菱エコキュートのエラーコード117は、給湯循環ポンプに関連する問題を示しており、ポンプの故障、詰まり、配管内の空気混入、センサーの不具合が主な原因です。リセットやエア抜きなどの初期対処を試み、それでも解決しない場合は専門業者に依頼して修理や点検を行うことが推奨されます。定期的なメンテナンスで、ポンプのトラブルを防ぐことが重要です。